HOME > 外来 > メリケントキンソウ

メリケントキンソウとは

日本では和歌山県で1930年に発見された,南アメリカ原産の帰化植物です.キク科の一年草で,草丈は5〜10cmと低く,地面をはうように生えています.公園,河川敷,ゴルフ場などの日当たりの良い場所に生える植物です.花はキク科ですので,頭花と呼ばれる小さな花の集まったものですが,1個1個の花は実(痩果)になると大きな刺があり,カブトガニのような形になります.

画像をクリックすると詳細画像が閲覧できます.
メリケントキンソウ Soliva sessilis

全体の姿

メリケントキンソウ Soliva sessilis

全体の姿

メリケントキンソウ Soliva sessilis

頭花

メリケントキンソウ Soliva sessilis

頭花

メリケントキンソウ Soliva sessilis

頭花

メリケントキンソウ Soliva sessilis

頭花 刺が多い

メリケントキンソウ Soliva sessilis

痩果(果実)

メリケントキンソウ Soliva sessilis

痩果

徳島県内の記録

2005年5月に徳島市やその周辺の市町村の吉野川の河川敷で多数繁殖しているのが見つかりました.県内の過去の記録(徳島県植物誌や標本)を調べてみましたが,見つかりませんでした.吉野川の植物に詳しい方にも話しをうかがいましたが,見たことがないとのことです.
博物館では前年の2004年に吉野川河川敷でみどりの探検隊という参加者がさまざまな植物の写真をデジタルカメラで撮影する行事で、この植物が撮影されていました。少なくとも2004年には徳島県に入っていたことが確認されました。

広がりつつある分布

吉野川では2005年発見当時よりも分布箇所が増えています。また、当初はそれほどの密度ではなかった場所でも芝生の密度と逆転し、芝生よりも多く生えている場所が出ています。さらに徳島市の文化の森公園では2009年4月に新たに噴水前の芝生で見つかりました。県内でも他の場所にひろがっているようです。


芝生に生えるメリケントキンソウ(2009年4月 文化の森)

その拡大

猛烈な繁殖力

2009年に文化の森で見つかった噴水前の花壇では現在もこの植物は繁殖しています。経年の状況を観察していますが、芝生がきれいに手入れいますので減ってはいません。春から秋にかけては芝生の手入れで、人力による草抜きも行われていますが、この時期はほとんど目立たないので除草の対象にもなっていないようです。
徳島県立博物館では2013年の夏に外来生物の企画展を開催しました。その展示で用いるためにこの噴水前のメリケントキンソウの果実を文化推進員の和田さんに集めてもらいました。丁寧に集めてくれましたが、重量から推測するのに53000もの種子が採集できました。
7月なので多くの果実がこぼれて採集できなかったにもかかわらず、噴水前の花壇の芝生というわずかな面積にこんなにたくさんの果実ができているのかとびっくりしました。
大量の果実を作ると共にその発芽率も良いようで、秋口にはこの植物が一斉に発芽し、緑の絨毯のようになります。


文化の森公園の噴水の花壇(緑色の部分が芝生で、面積はそう多くない)

そこで集まったメリケントキンソウの53000粒の果実(2013年7月10日採集)

影響は?

外来植物などはしばしば,生態系や人間活動に影響を与えます.他県の情報を集めています.三重県では記録が見つかりましたが,千葉県植物誌には記録されていませんでした.神奈川県植物誌には何カ所かで見つかっており,今後広がる可能性があると指摘しています.
当ホームページをご覧になられた方から連絡があり、愛媛県のゴルフ場で広がっているとのことでした。また、河川敷のグランドで開催予定だったサッカー大会が中止になったとの情報も寄せられました。インターネット上では熊本県でも広がっているという情報もあります。
インターネットで外国の情報を検索すると,カナダのブリティッシュコロンビア州やアメリカのワシントン州で広がっており,警告する文書が出されています.それらを総合すると公園やゴルフ場などに入り込んで,刺で怪我をする可能性があり,駆除をする必要があるとされています.
外国の警告にあるように公園などのリクレーション施設に入り込んで,人やペットなどが怪我をする恐れがあります.また,吉野川では家畜用の餌の植物が栽培されているため,そこに混じった果実を家畜がたべることによって内蔵等を傷つける可能性があります.


 この写真はメリケントキンソウの生える芝生にゆっくり手を押し当てたものです。鋭いトゲをもった実が手の皮膚につきささっているのがわかります。5下旬〜6月には植物は枯れ、実は堅くなりますので、裸足で芝生を歩くとかなり痛い状態になります。


対策は?

 まず,現状がどのようになっているのか調査する必要があります.また,散布のメカニズムを調べる必要もあります.外国の文献によると,人や動物,自動車などに果実が付いて運ばれるというのが載っていますが,吉野川の場合は洪水によって流されるということも考えないといけません.帰化植物の場合,国内に入り込んでからしばらく時間を置いて爆発的に広がる例がありますが,それがどういう理由によるものなのか検討する必要があります.こうしたものはできるだけ早い対策をたけなければ,広がった後ではなかなか対策を立てることができません.外国ではシバを張り替えたケースもあるようで,そうなるとかなりのコストがかかります.
 ひとつ考えないといけないのは,吉野川には公園,農地,河川敷の草地など管理者が細かく別れています.例えば,公園でなんらかの対策が採られたとしても,別の場所で生育していたらそこから種子が入り込んでしまい,なかなか駆除することができません.したがって管理者間の連携も必要になります.

▲ページトップに戻る