平成15年度第2回徳島県立博物館協議会議事録

日 時

平成16年3月10日(水) 13:30〜16:00

場 所

徳島県立博物館 3 階  講座室

次 第

1 開会

2 館長挨拶

3 出席者紹介

4 議事

(1)平成15年度事業の実施状況について

(2)博物館運営の活性化・効率化に資する評価の在り方に関する素案について

(3)公立博物館評価の現状について

(4)その他

5 閉会

記 録

●平成15年度事業の実施状況について(→参考資料)

博物館員 今年度の事業状況について報告する。常設展は2月末現在の入館者数が,去年度の3月末時点の入館者数を,若干上回っている。企画展入館者は大幅に増加しており,去年の2倍である。このたび開催していた特別陳列「日本刀の美」は,あまり宣伝をしていないにもかかわらず,予想を上回る入館者数となっている。普及行事は4,300人の参加。学校との連携に関しては,出前授業17件,資料貸出10件,教員研修8件となっている。

委  員 新規利用者を開拓する手法として,例えば音楽ホ−ルでは,演奏者が前日に地元を回って演奏を聞かせ,演奏会当日の入場者を増やすといった,アウトリーチが盛んになっている。

委  員 展示観覧者の有料と無料の違いを教えてほしい。

博物館員 常設展は原則有料。小・中・高生は,土・日・祝日、長期休業日が無料。企画展では,特別な理由のあるものは無料。今年度のアイヌ展の場合は,人権教育の一環として無料となった。

 

●公立博物館評価の現状,徳島県立博物館の活動目標及び評価指標(素案)について(→参考資料)

博物館員 まず,公立博物館評価の現状について紹介する。東京都のようにトップダウン式の行政評価の一環として行われている場合があるが,日本博物館協会が推奨しているのは,ボトムアップ式の博物館評価。自己点検が主で,外部評価は多くない。大学と連携して行っている例もある。私どもとしては,独自の基準作りを進め,博物館協議会を外部評価機関として位置づけていきたい。
 目標・評価指標策定にあたり,当館のような総合博物館の使命(misson)は,簡潔に示しにくいが,活動目標と評価指標設定の前提として,基本構想に照らして,現状と課題を整理した。その上で,目指す方向はコレクション重視を基礎とした,サ−ビスの展開においた。
 今のところ,活動目標及び評価指標の素案を作成し,さらに検討を加えている。素案においては,従来の展示,資料収集保存,調査研究,教育普及の四つの機能に加えて,博物館の新たな活動としてシンクタンク機能を追加した。また,最近の潮流を踏まえて,運営(マネ−ジメント)についても,前面に出している。
 施設設備の改善と運営組織の在り方については,書き込んでいないので,今後,考えていきたい。

委  員 県内企業の経営理念を調査したが,そこからは4点の意義が集約できる。それを踏まえて理念,使命は大切にして欲しいと思う。
 その意義とは,(1)運営の松明として方向を示す,(2)磁石のように館の方向を一つにまとめる,(3)天びんのように利益・効果を測る尺度となる,(4)みんなの活力剤・活力の原点となる,と整理できる。
 また,可変と不変のものを分けて検討して欲しい。町村合併により,保存されるべき資料等が散逸しないような協力も考えて欲しい。

委  員 県民ニーズに応えるためには,方針をきちんと立て,きびしいチェックを入れ,目標とコスト等のうまい組み合せを考えなければならない。過去の遺物を収集していると見られがちの博物館のイメージを,思い切った企画力で,未来に向かって動いている展示をしている施設として県民に見せる必要がある。
 常設展の大幅な変更も必要。また映像,音響など多面的な手段を活用して,様々な年代層が活用できる博物館構想を作って欲しい。

委  員 博物館の活動を,県民がサポ−トする組織づくりが必要である。博物館の内部をよく知っている人は利用できても,知らない人は利用できていない実態がある。博物館がどうあるべきか,県民といっしょに考え,評価してもらう必要がある。大学人としても,どのように利用・協力できるかを考えていきたい。

委  員 15人くらいの指導者で,とくしま天体観測キャラバンを10回開催し,ト−タルで1,200人の参加があった。県立博物館と那賀川町科学センターが協力して同様の事業が行えないか。

博物館員 他の博物館との協力の例としては,昨年度開催した県内巡回展「丹波マンガン鉱山の記録」や,海南町立博物館との展示共催などの事例がある。県内の博物館施設で組織している徳島県博物館協議会の中で,今後の連携について検討できればと思う。

委  員 博物館と社会との関わりについて,文化や自然にかかわるNPOが増えてきたら,連携も増やすことが出来るだろう。

委  員 博物館評価の効果を上げるには,博物館活動への主体的な参加者を,どれだけ多く集めるかが,まずもって課題になると思う。
 カルチャーセンターに参加し,各教室のリ−ダ−として活動されている方々と,博物館活動への参加者層は意識的な面で重なっている,との感想を持っている。
 博物館活動への参加者層を広げる意味からも,博物館とカルチャーセンターの連携講座として「講座+展示見学」のセットカリキュラムを検討してはどうか。

博物館員 以前にもよく似た提案があったが,最近はカルチャーセンターに知事部局の職員も出ているので,博物館活動への参加者開拓と結びつくのなら,検討することも必要なのではないかと考えている。

委  員 評価項目を設定する場合に,複合施設としての文化の森の持ち味を活かして,公園全体の集客を図るという視点も取り入れて欲しい。ここに来れば,何か楽しいことが行われている,との情報発信が必要。博物館単独の評価に加えて,ぜひ文化の森全体としての視点も検討してほしい。

委  員 各館が連携して,文化の森全体のにぎわいを考える必要がある。県民が集まってくる共同イベントなどができないか。

委  員 先ほど大学と連携を取って「評価制度」の検討を進めている事例が説明された。実は,大学の私の研究室では,平成15年度の卒業研究として,学生が関係者に面談して,体育施設の有効な活用策等を検討し,「体育施設の現況調査」報告書としてまとめた。
 そこで提案だが,16年度の卒業研究テ−マにミュ−ジアムを取りあげ,学芸員等と協力して,今後の博物館のあり方や方向性を調査・検討してはどうか。学生側にも,学芸員と一緒に研究を進めることで得られる様々なメリットもある。博物館にとっても,学生の感性を今後の活性化・効率化にかかわる博物館評価に反映できると思う。

博物館員 以前には,学生に展示の改善案を提案してもらったことがあった。どうすれば面白い結果が出るのか,相談させてほしい。これは第三者的な視点からの博物館評価に通じると思う。

委  員 博物館内部と外部とで,コラボレーションを進めていければ良い。学生に指導してみたい。

委  員 博物館と大学が,協同で知恵を出し合って地域文化を高めて県民に返していく。そのためには博物館の活動が,県民に周知されていない現実を受け止め,企業なども巻き込んで連携し,博物館利用を進めていくための組織づくりが必要である。

委  員 この件は時間的な制約もあるので,ワーキンググループ方式で進めていきたい。

委  員 企画展の開催数が少ないのではないか。

博物館員 企画展示室を使用して無料の特別陳列を行ったり,年間5〜6回,部門展示(人文)の更新を行っているしているが,予算上の位置づけから企画展としてカウントしていないだけ。収蔵品をもっと活用して展示していきたい。

委  員 1カ月余りの開催期間の中で,展示解説等を工夫してメリハリをつけ,企画展の活性化が出来るようにすることも大切だろう。

委  員 博物館については,入館者数などの評価しやすい部分で評価するとなると,資料収集や研究など,本来の博物館の意義とずれた部分が出てくるのではないか。限られた予算の中でどうやっていくか,財政の裏付けも欠かせないと思う。
 県民は展示を見て,博物館の役割が大事なんだなあと思う。自分も収蔵庫や研究室等の裏の部分,バックヤ−ドを見てすごいなあと思った。県民の私は,展示を見てないけど協力をするという,ボランティア的にとらえてもらえる部分を入れていけば良い。

 

●広報の強化等について

博物館員 博物館開館以来13年になるが,多くの利用者が通る駐車場から博物館への道筋に,ポスタ−掲示板がなかった。関係部局との調整も出来たので,今年度末をめどに,文化の森5館のポスタ−掲示板を設置する運びとなった。

委  員 広報面では,ポスタ−掲示板の設置に向けた作業が進んでいるということで,どんな企画展が開かれているのか,文化の森を訪れた人は,わかりやすくなると思う。
 そこでもう一歩踏み込んで,文化の森の前の道路を走っていて,企画展がわかるような看板の設置は出来ないか? 文化の森に行ってみたいなと思わせる,導入部分の仕掛けも必要だと思う。

博物館員 確かに,文化の森の前の道路を走っている時に,博物館ではあんな企画展が開催されているのか,じゃあ文化の森に行ってみようという,動機付けは必要。
 いずれにしても広報の必要性は痛感しているので,入口の橋の部分の活用について,管理者に相談をしてみたい。

委  員 関係者と粘り強い交渉を重ねて,県民にわかりやすく広報を行ってほしい。

委  員 審議会の委員として,よく学芸員と一緒になるが,学芸員がもっと自由な調査研究活動が出来るように,ちゃんとしたシンクタンク事業として打ち立てて欲しい。

博物館員 シンクタンク事業については,従来,学芸員が個人的に依頼を受けて行っていたものを,館の活動分野の大きな柱の1つとして位置づけるものである。

委  員 知ってもらい,利用してもらうことで,県民に評価される。その活動の基礎には,学芸員の研究があることを知ってもらいたい。

博物館員 今日の委員の意見も踏まえて,活動目標及び評価指標については,検討をさらに進めて,出来る部分から評価を実施し,公表できるようまとめていきたい。 


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